登記茶屋とは……
司法書士がまだ「代書人」と呼ばれていた明治時代、登記所の隣には、食事を楽しみながら登記の完了を待つための茶屋があったとか……
あーもう、こんなに降るなんて聞いてないよ!
肉球までびしゃびしゃだし、湿気でジメジメするし……
マスター!ここって冷たいジュースないの?
コーラとかさ!
あいにくウチはコーヒー専門でして。
冷たいメニューなら、アイスコーヒーはいかがでしょうか。
じゃあもうそれでいいや!
今日は踏んだり蹴ったりだよ、まったく。
さっきの法務局のおっさんも、登記が終わるまで1か月以上かかるって言うしさ。
書類くらい、その場でパパっと確認すればいいのに!
そうそう、このくらいスピーディーに対応してくれなきゃ困るんだよ。
まぁ実は、コーヒーは苦いからあんまり好きじゃないんだけどね。
……ってアレ?
なんだかこのコーヒー、全然苦くないぞ?
こちらはコールドブリュー……すなわち水出しで淹れたものですので、熱湯を使う急冷式と比べてまろやかな味わいとなっております。
ふーん、じゃあ俺はこっちの水出しの方が好きかなぁ。
注文したらすぐに出てくるし。
水出しのコーヒーがすぐにご提供できるのは、前日の晩からじっくり仕込んでいるからなんですよ。
低温でじっくり抽出することで苦味を抑えてスッキリとしたクリアな味わいになりますが、抽出効率は落ちるので完成まで時間がかかります。
逆に、熱湯で抽出したコーヒーを冷やす急冷式は、豆の苦味や酸味といった個性をガツンとストレートに引き出すことができます。
つまり、スッキリとしたクリアな結果を出すためには、時間をかけて慎重なプロセスを踏む必要があるということですね。
一杯のコーヒーはもちろん、人の権利を扱う登記であれば、これは尚更かもしれませんよ。
でもたしかに、それにしても時間がかかりすぎる法務局もありますね。
以前、東京司法書士会から東京法務局に、審査長期化の原因を照会するという形で改善を要求したこともありました。
ちなみに、立川法務局は最近なぜか異様に早いです。あまりに早すぎて、中の職員さんたちが無理をしていないか心配になります。
ふーん、法務局の中でも色々あるんだなぁ。
おや?そんなウワサをすれば、法務局から電話だ。
もしもし。
え?相続人が一人抜けてる?
ってことは登記申請は……
「取下げ」……やり直せってこと!?
ちょっと待って、それじゃあ払った税金は?
「再使用証明」……?
ちょっとよく分かんないんで、とりあえず窓口行きます!
俺の脚ならひとっ走りなんで!
まったく……お金をかけずに楽に終わるなんて、そう旨い話はなかなか無ぇってことだな。
先生ごちそうさん、また来るよ。
先生ではなく、マスターと呼んでください。
お気を付けていってらっしゃい。